“ジョイ・ワークショップ・タイム”が開かれました!



予定通り5月8日(土)14:00より、10数名の参加者を得て催されました。
   
まず加勢先生より、このジョイ・ワークショップ開催の趣旨についてのお話。
   
クラシック音楽の理念が花開いた19世紀のヨーロッパ。 ウィーンやブダペスト、そしてパリ、 ライプツィヒなど大陸ヨーロッパの主要都市では、 貴族の館や別荘を借りて芸術家たちがサロンを開いた。 シューマンとその妻クララのサロンもそのひとつで、 数は少ないが、天才と人柄を兼ね備えた世界中の 音楽家やジャンルを越えた芸術家が2人の周りに集まった。 大部分が貴族や上層市民階級出身とはいえ、 そうしたサロンは富やステータスをひけらかす場ではなく、 純粋に才能や知性だけを共通の基盤として、 音楽に限らずさまざまな話題で豊かな人間的交流、 情報交換がおこなわれた。このジョイ・ワークショップ・タイムも そんな開かれた素敵な交流の場にしたい。 今の世の中では、価値あるものは残そうと 努力しなければ残らないのだから・・・・・・

次に、先に出版されたコダーイ『こどもの踊り』(注)の概説と演奏指導がありました。
『こどもの踊り』はコダーイの音楽教育理念(コダーイ・システム)を反映し、 このシステムの普及とともに、 作品そのものの素晴らしさで世界中に広まったピアノ曲集ということです。

演奏指導は、朝日カルチャー・センター等でこの曲集について 直接加勢先生の指導を受けている出席者が先生役になり、 まだこの楽譜にあまり触れていない人が生徒役になって、 随所で加勢先生がアドバイスをはさみながら 模擬レッスンをしていくという形でおこなわれました。 指導実践の様子が具体的に伝わり、大変興味深い内容でした。

残りの時間はリラックスした雰囲気で質問や感想が交わされました。

ピアノは自己流で少し……という男性の方にモデルになっていただき、 加勢先生が力の抜き方、指の使い方などを実地指導。 とても初めて指導を受けられたとは思えないほど上手にコツを習得しておられ、 楽しいレッスン風景でした。

最後の締めはなんと! 加勢先生ご自身の演奏でした。

ハンガリー現代作曲家の一人ヴェチェイ・フェレンツの ピアノ作品集〈大人の時間〉中の一曲〈悲しいワルツ〉という曲。 作品の構成・和声を含む形式が典型的なポピュラーなピアノ作品とかで、 それはもう美しい調べに浸り、至福のときを持つことができました。