JPAPCピアノ発表会2003

 当会恒例の「ピアノ発表会(2003年度)」は 11月24日(祝・月)に全電通ホールで行われました。 トーン・クラスターを活用した、独特の質の高い演奏は毎年の事ながら、 来会者を喜ばせることができました。 日常生活の中から生み出された、小中学生たちの「自作曲」は、 如何にもその人らしいイメージの詩が披露されて格別の興が誘い出されていました。 また、第2部の上質のプログラムと演奏は、 多様なクラシック音楽の感動を表出できる出来ばえとなりました。



加勢るり子会長の「お話」(抜粋)

 師走に入り、2003年が終わろうとしています。 ご来会の皆さまは益々お健やかにお過ごしのことと思います。
 現在私たちは変化の激しい複雑な「時」の流れの中で、 新しい年を迎えようとしています。 そこで年末に当たり、一寸立ち止まって、 いま在る日本ピアノ文化振興会の歩みを振り返ってみることに致しました。
 私は第二次世界大戦直後の1947年に「東京音楽普及会」を設立しました。 その後時代の変遷に従って、組織は「コダーイ・システム研究会」、 「ユニーク・クラシック・コア」など、会員メンバーや沢山の支持者、社会のニーズの変化と共に、 紆余曲折を経ながら現在の「日本ピアノ文化振興会」へと展開して来ました。 今考えますと、一貫して、ピアノを通しての全人教育を夢見み、 これを迷わず目標に据えて歩み続けた気が致します。 その間1965年にコダーイ・ゾルターンとの出会いが起こり、 それ以後はずっと、永遠の真理を含む彼の音楽教育理念にのっとって、 これにつながる営みを誠実に実践してきたつもりでいます。 この長い間、色々な形で皆さま方からのご協力ご支援を得ることができました。 日本ピアノ文化振興会の活動実績が音楽界の高い評価を得ているのは、 ひとえにご支援下さった皆さま方のお力添えがあったからではないかと、 感謝の気持で一杯です。
 誠に有り難うございました。心よりお礼申し上げます。
 さてそこで「来年からは」と言えば、 これはもう予断を許さないほどの世界的激動の時代へと移って行きそうです。 私たちをとり囲む日本の厳しい社会的情況の影響を どうしても受けることになるでしょう。
 幸い私たちは、天から来る深い次元の芸術の世界にかかわっています。 表層の社会がどう変化しようと、心や精神は別の次元で息づいていると考えます。 私はこれからも、この深層の世界に棹さして、 ピアノを通しての「全人教育」の道を歩み続けて行きたいと願っています。 今後とも皆さま方のご理解・ご協力が得られれば幸いです。
 新しい具体的なアイディアやご意見などがあれば、 どうぞどしどし本部宛ご連絡下さい。お待ちしております。
 私はこれからのIT、デジタルの世界へ向けて、 ホームページ欄に力を入れて行きたいと考えています。 当会のホームページ・アドレスを 覚えて下さい。そしてどうぞ活用して下さい。お願い致します。
 もう一つ、加勢るり子個人の予定として、次のことを考えています。 現在日本で絶版になっているコダーイのピアノ作品集「こどもの踊り」を 出版することです。 この楽譜は、コダーイ自身が私に直接手渡された自筆のサイン入りのものです。 法律にのっとって、研究用に、限定部数を作製するつもりでいます。 新年には間に合わせたいと思っていますので、どうぞご注文下さい。
 最後になりましたが、ご支援下さった皆さまお一人お一人が、 何時になってもお元気で、輝いて、ピアノの美しい響きそのままに、 希望と明るさを紡いで行って下さることを心から願っています。